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ワイヤレス技術で社会を変える

[研究室キーワード] アンテナ, シミュレーション, メタマテリアル, 電波

自動車や飛行機など様々なモノがインターネットに接続しています。これらは電波を用いて接続されています。また、電波は自動車などの自動運転技術で重要な役割を果たしています。これからの、より便利でより豊かな社会の実現には電波が重要な役割を果たします。

本研究室では、電波をより効率よく、よりスマートに使用するにどのように工夫すればよいかを様々な角度から検討しています。

こうした観点から、本研究室では電波の振る舞いを明らかにする研究、電波に対してこれまでにない特性を示す構造の開発など様々な研究を行っています。例えば、電波の振る舞いを調べるには、コンピュータ上でその振る舞いを再現できる事が望まれます。そこで研究室では、電波の高精度なシミュレーション手法の開発を行っています。これは、本研究室で行っている研究の一端ですが、興味のある方はぜひ研究室のHPをご覧ください。

有馬研究室1

シミュレーションで拓く電波の活用

有馬研究室2

電波のシミュレーションの一例

有馬研究室3

電波の測定装置を行う部屋

AI処理と映像符号化でロケフリーな社会を実現

[研究室キーワード] AI処理, ハードウェアアーキテクチャ, 映像符号化, 遠隔制御

AI・IoT技術の進展にともない、図1に示すように、現実世界をセンサーで捉えサイバー空間のコンピューティング能力によりAIを用いた学習による付加価値を加えてフィードバックするサイバーフィジカルシステムの高度化の開発が精力的に行われています。サイバーフィジカルシステムでは、莫大な映像データの伝送が必要となります。このため、ネットワークトラフィックの約80%以上が映像データといわれています。

本研究室では、フィジカル空間の映像データを可能な限り高解像度なままサイバー空間に効率的な伝送を実現するための莫大な演算量を持つ映像符号化規格のハードウェア化(図2参照)についての研究開発やフィジカル側での認識の高精度化の研究開発やサイバー空間からエッジへのフィードバック制御を低遅延で行うための低遅延伝送の研究開発を進めています。

岩崎研究室1

図1 サイバーフィジカルシステム構成

岩崎研究室2

図2 映像圧縮と演算量

1週間充電しなくて済む、高効率なスマートフォン

[研究室キーワード] 半導体, 新プロセス, 新材料, 誘電体材料, 電子デバイス

スマホを使っていたら、あ、電池切れ!よくあるシーンです。それがコンセントのある家の中だったらよいのですが、外出中だったら・・。もちろん、モバイルバッテリーという商品がありますから、それを持っていればよいのですが、せめて、数日電池が持ってくれればよいのに・・。そのために、私たちの研究室では、高効率で電子機器を動かすための材料研究に取り組んでいます。たとえば、コンデンサ。電気をためる能力がある素子ですが、どんどん薄くしていくと、同じ電気量を小さな電圧でためることができます。さらに材料を変えていくと、もっともっと小さな電圧で同じ電気量を蓄えることが可能となります。つまり、省エネルギー化が可能になる、ということ。

私たちの研究室では、こんな、電子機器内部に用いられている材料が、「もうちょっとこうだったら」に、電気電子工学はもちろん数学・化学など他の分野の知見も生かしながら取り組んでいます。

上野研究室1

夢のトランジスタを作ろう!!!

上野研究室2

各種材料作製装置

上野研究室3

各種材料分析装置

未来のための高効率無線通信・ネットワーク

[研究室キーワード] 5G/6G, 無線ネットワーク, 無線通信, 無線通信のための信号処理, 無線通信のための機械学習・AI

スマートフォン、無線LANなどをはじめ様々な無線通信が身の回りにあふれています。さらに、第5世代移動通信システム(5G)のサービスが始まり、第6世代移動通信システム(6G)の研究も行われつつあります。
また、AIや機械学習ではビックデータとして多種多様な情報を集めることが望まれますが、その情報伝送の担い手として無線通信は重要な役割を担い、今後もその需要は増加することが予想されます。
本研究室では、未来の無線通信をより効率的に実現するため様々な研究に取り組んでおります。例えば、無線通信によるトラフィック、電波伝搬、ユーザの様子など様々な情報をビックデータとして活用し、高効率な無線通信及びネットワークを実現する技術の開発に取り組んでいます。これにより、さらなる高速伝送、多数ユーザの収容、高信頼な通信が可能となります。
海外の著名な研究者とも学生のうちから一緒に共同研究を行うなど、貴重な経験を持てることも本研究室の特徴です。

梅林研究室1

スマートな無線通信・ネットワーク

梅林研究室2

超小型無線機によるテラヘルツ無線通信

梅林研究室3

アンテナ・信号処理による干渉除去

スーパーコンピュータのネットワークを設計しよう

[研究室キーワード] スーパーコンピュータ, ディペンダブルコンピューティング, 超並列計算機

「京」や「富岳」など、国産のスーパーコンピュータ(超並列計算機)が世界一の性能を達成しているように、スーパーコンピュータに関する日本の研究能力は世界トップレベルです。スーパーコンピュータでは、非常に多くの計算機をリンクでつないで、ネットワーク(相互結合網)を構成し、計算機がお互いに連絡を取りながら、計算を進めていきます。ネットワークでつなぐ計算機の数は、大きなスーパーコンピュータだと1,000万台にもなるため、効率の良いつなぎ方(トポロジ)や連絡の取り方(ルーティング)を考える必要があります。

本研究室では、スーバーコンピュータの能力を引き出すネットワークについて研究しています。また、多くの計算機をつなぐと、ほとんどの場合、故障した計算機やリンクが存在します。そのような状況でも大きく性能を落とさずに計算を実施できるように設計する必要があるため、そのようなネットワークやルーティングについても研究しています。

金子研究室1

トポロジとして、よく利用されるトーラス網。図は、3次元のもの。「京」や「富岳」は、「Tofu」と名付けた6次元のトーラス網を使用してます。

金子研究室2

パンケーキグラフという美味しそうな名前のトポロジもあります。図は、4枚のパンケーキから作られた4-パンケーキグラフです。緑の点線内は、3-パンケーキグラフになっています。

金子研究室3

水田でもセンサネットワークとして利用されるトーラス網

ナノテクと光・熱制御で、高効率電池を実現する

[研究室キーワード] エネルギー, エネルギーキャリア, ナノテクノロジー, プラズモニクス, メタマテリアル, 光・熱制御, 光検出器, 太陽電池, 水素・酸素生成, 熱電変換

ナノテクノロジーを駆使して光や熱を自在に制御し、より高効率な太陽電池や熱電変換デバイスの実現を目指しています。

エネルギー問題は、地球環境を守り、持続可能な社会を構築するにあたり重要な課題です。太陽電池などのエネルギーデバイスは、一部では普及していますが現在の発電効率は不十分で、電池のさらなる高効率化は喫緊の課題です。

久保研究室では、光や熱を自在に操ることのできる新規人工材料メタマテリアルをエネルギーデバイスに適用します。メタマテリアルはナノサイズのレンズのように光を集光し、増強された光を作り出します。この現象は太陽電池の光吸収を高めるため、電池の高効率化が実現すると期待できます。加えてこの技術は、ナノ領域の熱の吸収・伝搬・放出を制御することも可能とし、将来、低エネルギー消費半導体チップの実現を可能にします。

久保研究室1

プラズモニック・メタマテリアルにより、光・熱の制御とエネルギー生成が可能に

久保研究室2

ナノ領域に光を閉じ込めて、薄膜の太陽電池を高効率化

久保研究室3

様々なナノテク装置を駆使してナノ構造体を作製

自然言語処理 言葉をあやつるコンピュータ

[研究室キーワード] データマイニング, 機械学習, 自然言語処理

コンピュータを使って、言葉の研究を行っています。専門的に言うと、人工知能の研究に含まれる、自然言語処理という研究分野です。大量のデータ(問題集)をコンピュータに与えて、規則性を発見し、新しい問題を解けるようにする技術、「機械学習」を使って実現していきます。当研究室では、言葉の意味を文脈によって理解させたり、欲しい情報を抽出したりするタスク、また、評判分析、推薦システム、文書分類など様々なタスクを対象に研究を行っています。

最近では、深層学習を用いた技術が人工知能の研究の標準となっており、当研究室でも盛んに利用しています。当研究室では日本語の処理を長年研究してきており、日本語ならではの特性について焦点を当てて研究しています。また同時に、この特性を意識しつつ、英語のテキストを用いたクロスリンガルな処理についても研究を行っています。

また、ある分野についてあまりデータがないときに、別の近い分野の知見を転用、併用して低リソースで精度の高いシステムを作成する研究をしています。例えば、新聞のデータを利用したブログのデータ用のシステムや、現代文のデータを用いた、古文用のシステム、日英のテキストを使ったクロスリンガルなシステムなどを作っています。

古宮研究室1
古宮研究室2
古宮研究室3

情報技術による人間の認知・運動機能の解明と支援

[研究室キーワード] VR・ロボットリハビリテーション, ブレインコンピュータインタフェース, 運動学習の計算モデル

本研究室では自律的かつ可塑的な特性を有する生物システムがいかにして合理的な知を実現しているのか?という問いに対し、工学的立場から数理モデル化を行いその機能解明を試みるとともに、開発した適応・学習のモデルをヒューマン・インタフェースとして実応用することを目指しています。
具体的には、没入型VRとモーション計測装置を組合せて仮想身体を思い通りに動かせるシステムを構築し、不慮の事故などで上肢を失った方が患う幻肢痛を緩和するシステムの開発や、脳波によるブレインコンピュータインタフェースでロボットや筋電気刺激装置を駆動して麻痺肢を思いどおりのタイミングで自発的に動かせる脳卒中リハビリテーションシステムの構築など、人間の認知・運動機能を情報技術により改変・拡張することで、そのメカニズムを認知心理学的に明らかにすることに取り組んでいます。

近藤研究室1

VR幻肢痛緩和システム

近藤研究室2

ブレインコンピュータインタフェースによる脳卒中リハビリテーション

近藤研究室3

強化学習による人間の運動学習の計算モデル

様々な情報を視覚的に効率よく伝える

[研究室キーワード] コンピュータグラフィックス, デザイン, 可視化

本研究室では、計算機による画像生成処理、特に人間に対する視覚情報伝達を目的としたコンピュータグラフィックス(CG)技術を中心に、研究を進めています。現代の情報化社会においては、膨大な情報の中から有益な情報を効率的に選択し活用することが必須です。そのためには「百聞は一見に如かず」と言われるように、情報を言語的表現だけでなく視覚的表現によって伝えることが重要です。私達は、CGを幅広い分野に応用し、効率的視覚情報伝達の実現を目指しています。
具体的には主に以下のテーマを研究しています。
(1)非写実的画像生成: 絵やイラストのように、特徴を強調したわかりやすいCG画像の生成
(2)映像処理:長時間の動画像情報を効率的に閲覧するための手法の開拓
(3)情報可視化:大規模情報を視覚的にわかりやすく提示する技術の追究
(4)デザイン支援:制作者の意図を反映したデザインを効率的に得るための支援技術
(5)形状処理:美しい曲線・曲面の生成制御

斎藤研究室1

イラストの着色支援

斎藤研究室2

大規模情報の可視化

斎藤研究室3

静止画による動き情報の提示

視覚の人工知能で便利な未来を実現

[研究室キーワード] 3次元モデリング, コンピュータビジョン, 深層学習, 画像認識, 視覚情報処理

近年、画像の認識をするための深層学習ネットワークが提案されたのをきっかけとし人工知能が大きなブームになっています。本研究室では、視覚の人工知能を実現するためのコンピュータビジョンと呼ばれる分野の様々な研究を行っています。カメラやカメラをベースとした様々なセンサから得られる情報を用い、センサ情報の幾何学的な関係を推定するための基礎研究、新しい深層学習ネットワークの提案、深層学習や従来の画像処理手法をさまざまなシステムへ応用するための研究など、基礎から応用まで幅広く研究を行っています。実用的なシステムへの応用については、企業や本学農学部、工学部の他の学科の研究室などと共同研究を行っています。最近では、農作物の状態の認識、ドライブレコーダ映像解析などのテーマを実施しています。

​清水郁子研究室1

対象の3次元構造推定のための類似画像の効率的な選択

​清水郁子研究室2

トマトの状態の自動推定を行うロボット

​清水郁子研究室3

本学科学博物館所有のアンティークミシンのディジタルアーカイブ

人工知能を用いて未来の画像診断を創る

[研究室キーワード] 人工知能, 信号処理, 医用画像処理, 機械学習, 深層学習, 計算解剖学, 診断支援

人体内部を撮影したCT像やMR像などは、病気の発見や治療に欠かせない医用画像です。病院では、大量の医用画像が日々撮影され、診断や治療に利用されています。

本研究室では、医療の現場で撮影される2次元や3次元の医用画像を人工知能を使って解析し、画像に含まれる重要な情報を抽出して医師に提示する、コンピュータ支援診断システムを開発しています。例えば、人体の体幹部を撮影した3次元のCT像には、がんなどの重要な疾患が写っていることがあります。その疾患を検出するためには、数百枚のスライス像を詳細に診る必要があり、医師への負担の増加が深刻な問題になっています。人工知能を使って異常が疑われる部位を画像から検出し、医師の診断を支援することで、負担は大きく低減します。また、将来は、人工知能の発展により、見落としの防止なども期待されます。

本研究室では、様々な医用画像の解析に人工知能を応用した、次世代の画像診断を実現するための研究を進めています。

​清水昭伸研究室1

CT像からの複数臓器の自動認識

​清水昭伸研究室2

胸部CT像の超解像

​清水昭伸研究室3

CT像からの転移性肝がんの検出

量子の力と人工知能を組み合わせ、量子状態を制御する

[研究室キーワード] ナノエレクトロニクス, ナノテクノロジー, 人工知能, 量子計算機

人間の身体や、世界・自然・宇宙など、すべては量子でできています。量子とは物質やエネルギーの最小単位であり、原子は量子から構成され、電子もまた量子です。現在のナノテクノロジーと呼ばれる技術は原子を1個単位で制御し、さらに、ナノエレクトロニクスでは電子を1個ずつ操作しています。しかし、原子や電子の制御はとても難しく、その理解には量子力学と呼ばれる新しい物理学が必要です。これらの研究は、量子計算機を現実のものとしつつあります。

我々の研究室では、原子や電子を1個ずつ操作する究極的な研究を行っています。それには、量子力学の知識や実験の技能・経験など、膨大な知見や技量を身に付ける必要があります。一方、近年、人工知能の性能も大きく向上してきました。そこで我々は、量子の世界の難しい研究を人間が行うのではなく、適切に設計された人工知能(マシン)に実行させることを考えています。

人工知能に支援された量子状態の制御技術が量子デバイスを自律的に作製し、量子計算機のような強力なコンピュータを生み出す。それがより高等な人工知能を表現し、より高度な量子計算機を生み出す。将来、人間ではなくマシンが研究活動を行うかもしれませんね。

​白樫研究室1

研究室で利用している量子ゲート型量子計算機

​白樫研究室2

研究室で作製している量子ビット構造(量子2準位系と量子状態読み出し用の単電子トランジスタ)

​白樫研究室3

研究室で作製しているチップ

未来の通信を支える電磁波の究極制御

[研究室キーワード] 6G通信用のテラヘルツ波帯アンテナ, 熱マネジメントに向けた熱放射制御, 透明マント技術も可能な人工材料

私たちがスマホで利用している「4G」の次世代にあたる「5G」通信は、周波数28GHz(ギガヘルツ)帯を利用するとされています。当研究室で扱うのは、300GHzや3THzなどの周波数帯の電磁波で、通称 「テラヘルツ波」と呼ばれています。私たちは、企業とも共同で5Gの次の次くらいに実用化されると期待されている「テラヘルツ波帯」に用いるアンテナやそれに用いる新材料の研究に取り組んでいます。

研究テーマは、自然界には存在しない電磁的性質を持つ人工物質を使って、電波や熱の輸送を制御すること。メタサーフェス(超表面)と名の付いた新材料を用いて、未来の通信や発電を支える基盤技術の開発に挑んでいます。この研究の面白さは、まだ誰も知らない電波や光のフロンティアに漕ぎ出して、世の中を変えてしまう可能性があること。開発した新材料を実用化するのが私たちの目標です。

未来の通信や熱の制御を変えるようなアンテナや新材料を研究室から世界に向けて発信し、「電磁波の究極制御」に向けた学理の構築を進めています。

​鈴木研究室1

テラヘルツ通信

​鈴木研究室2

熱を操る

​鈴木研究室3

材料探索×AI=MI

巧みな動作を生み出すメカニズム

[研究室キーワード] アプリ開発, 数理モデル, 機械学習, 行動実験, 計算論的神経科学, 身体運動科学

バットをへし折る豪速球、巧みなドリブル、鮮やかなアリウープ、はたまた楽器演奏における人間離れした超絶技巧。このような巧みな身体動作は我々の心を魅了する。一方、スマートフォンを操作する、ご飯を食べる、何かを見る、これらもまたすべて巧みな身体動作である。身体動作は我々の日常生活において欠かせないものである。

しかしながら、どのようにして我々が巧みな動作を生み出しているのか、という問いは未だ明らかにされていない。身体動作はバイオメカニクス、ロボティクス、神経科学、心理学、など多様な学問から研究されている。さらに我々自信が腕を動かすことはできる。しかしどうやって腕を動かしているのか、未だ理解できていない。

本研究室では、行動実験、機械学習、数理モデル、アプリ開発など多角的に身体動作のメカニズムを理解することを目的としている。特に機械学習を利用して身体動作を研究する試みは世界中を見渡しても稀有であり、新たな視点をもって身体動作のメカニズムや巧みな動作のコツとは何かを解明する。

​瀧山研究室

図は本研究室の取り組みの一旦。本研究室では、プロの動作のみならず、高齢者、運動失調患者など多様な方々の動作を研究対象としている。加えて、行動実験、機械学習、数理モデル、アプリ開発、など多様な研究ツールを利用している。

脳・生体信号の情報処理

[研究室キーワード] 信号処理, 機械学習, 生体信号, 神経科学, 脳波

ヒトは電気で動いていると言ったら驚くかもしれません。実は、脳も神経も筋肉も、体内に流れる微小電流で動いています。たとえば、脳の微小な電気活動を計測したものを脳波といいます。田中聡久研究室では、脳波を始めとする生体からの情報を処理、解析することで、科学、工学、医学の諸問題を解決しようとしています。

具体的には、脳波を測定することでロボットを制御したり文字を入力する技術や、脳波から脳の疾患を見つける医療支援AI技術、ヒトのストレスや不快感などを脳波と心電図などから見つけ出す技術、頭の中で想像した音楽を取り出す技術等に取り組んでいます。

学生さんにとっては、センサによるデータの測定から、信号処理や機械学習のソフトウェア技術、人工知能の作成まで、幅広い技術を学び、そして新たな技術や知を創出していく経験を積むことができます。

​田中研究室1

脳波でロボットを動かしたり文字を入力する「ブレイン・コンピュータ・インタフェース」

​田中研究室2

医療脳波から病気診断を支援するAIをつくります

​田中研究室3

音楽を聴くときの脳の反応を調べます。また、頭の中で鳴っている音楽を取り出すことにもチャレンジしています

テラヘルツ周波数帯の半導体物性及びデバイス応用

[研究室キーワード] センサ, テラヘルツ, テラヘルツ分光, 半導体デバイス, 微小・ナノ共振器

光と電磁波両方の性質を持つテラヘルツ波は、基礎科学、次世代通信、医学・薬学、製造業、安全・安心分野など様々な分野への応用が注目されています。テラヘルツ技術を社会の様々な場面で広く応用展開していくためには、テラヘルツデバイスの開発は必要不可欠です。

本研究室では、テラヘルツ周波数帯の半導体マイクロ・ナノ構造の物理及び応用を中心として研究を行いております。まずは、テラヘルツ波を利用して、量子ドット・単一分子、微小機械共振器などの半導体マイクロ・ナノ構造における様々な物理現象を解明します。次に、研究に発見された新しい電子物性を用いることにより、テラヘルツ領域で動作する超高速デバイスや超高感度テラヘルツ光検出素子を開発しています。

​張研究室1

知能社会を支えるテラヘルツ技術

​張研究室2

テラヘルツ波による”量子半導体”の電子物性の解明

​張研究室3

新規な機械共振器構造を基づき高感度テラヘルツセンサ

「制御×AI」で対象を理解し意のままに操る

[研究室キーワード] AI, スマート材料, ソフトアクチュエータ, パワーエレクトロニクス, プロセス機器, メカトロニクス, 制御工学, 故障検知, 故障耐性, 機械学習, 空圧ステージ, 非線形振動制御

制御工学とは、対象となるモノをある目標に向けて自在に操ることを目的とした学問です。エアコンによる室温の制御や自動車の速度制御、工場の安定した運転など、様々な場面で目的に応じた制御が行われています。様々な機器や設備が正確に、そして安全に動いているのはそれらが「制御」されているからなのです。

本研究室では制御工学にAI(人工知能)の一つである機械学習の手法を融合させ、より良い制御手法を確立し様々な問題を解決することを目的としています。例えば、化学工場では小さな故障が大きな事故につながる可能性があります。工場の安全な運転には、素早い故障の検知が不可欠です。本研究室ではこの課題の解決策として、機械学習を使っていち早く故障を自動で検知する「故障検知」を行う研究を行っています。さらに、故障検知に留まらず故障した後の安定した運用を目的とした「故障耐性制御」の領域についての研究も進めています。

実験対象となる実験装置が多くあるのも本研究室の特徴です。柔軟に動作するソフトアクチュエータや無線送電システム、化学プラントを模したタンクシステムなど、多種多様な機器を通してより効果的な制御手法の研究を行っています。制御技術に多様なAIの技術を加えることで、制御という分野で新たな研究領域を開拓していきます。

​鄧研究室1

大規模産業用のDCS(distributed control system)装置を用い、統合化学プラントを模したタンクシステム

​鄧研究室2

AI技術を導入した3次元湾曲ソフトアクチュエータシステム

​鄧研究室3

非線形制御工学に基づく無線送電システムの効率向上

様々な局面で役立つ高性能計算機システム

[研究室キーワード] コンピュータアーキテクチャ, スマート農業応用, 高速AIプロセッサ

今や無くては世の中が成り立たないほど、あらゆる局面でコンピュータが活用されています。
そのコンピュータを作り上げるには、PCやスマートフォン、ゲーム機、さらには様々な家電に内蔵されているチップと呼ばれるLSI素子が重要な役割を果たし、その設計手法について研究が進められています。
LSIを大量生産できるように設計・実装するには数億円の費用がかかり、その設計に1つでもミスがあると膨大な損失をもたらします。
そこで、最近では設計内容を書き換えることができるFPGA(Field Programmable Gate Array)と呼ばれる素子を用い、ミスが無くなるまで何度も設計のし直しができます。そのFPGAを、目的に合わせて内部を設計・実装し、様々な応用に活用する計算手法がリコンフィギャラブル(Reconfigurable:再構成可能)コンピューティングと呼ばれるものです。
中條研究室では、計算機システムを中心に、新たなプロセッサ(CPU)アーキテクチャを考案し、FPGAを用いて設計して実際に動作させ、さらにはそのチップを農業や酪農などの実世界の現場で活用するようなIoTシステムの研究を推進しています。

​中條研究室1

FPGAチップとFPGAボード

​中條研究室2

新たな回路設計手法

​中條研究室3

水田を自動航行する水上ドローン

多種多様なモノや人を上手く繋げるシステム

[研究室キーワード] IoT/AI, スマートホーム/オフィス, 可視光通信/XR, 行動認識/支援

中山研究室では、多種多様なモノや人を上手く繋げるIoT/モバイルシステムを研究しています。サイバーとフィジカルの境界領域を得意とし、センシング・無線通信・データ解析・フィードバック/アクチュエーションといったIoT/モバイルコンピューティングシステムを構成する技術を幅広く扱っています。

スマートホーム/オフィス向けのセンシング・行動認識・行動支援技術、イメージセンサを用いた可視光通信、ドローンを使ったスマート農業や水中IoTなど、身近なものから国境を越えるものまで、研究テーマは多岐に渡ります。

学術的な成果に向けた基盤技術の開発に加えて、企業や外部機関との連携による社会実装の取り組みも積極的に行っています。

​中山研究室1

サイネージを用いた可視光通信によるAR

​中山研究室2

センシングとプロジェクションによる行動支援

​中山研究室3

水中IoTによる環境センシング

信号処理の数理と応用

[研究室キーワード] 信号処理, 画像処理, 通信工学, 連続最適化

音・画像・電波などの信号は私たちの身の回りにあふれていますが、そのような信号がきれいな状態でそのまま手に入ることはほとんどなく、得られるデータにはノイズや劣化が含まれています。そのようなデータから価値のある情報を得るためには、データからきれいな信号を復元する技術が必要になります。対象とする信号に関する知識やデータをいかにうまく活用するかが面白いポイントです。
深層学習に代表される機械学習技術の隆盛に伴い、様々な分野でデータを活用した情報処理をできるようになりました。本研究室では、数理モデルに基づく従来のアプローチとデータ駆動型のアプローチをうまく融合させた信号処理技術について研究しています。
信号処理の数理的技術は、様々な分野の課題に応用されながら発展してきました。本研究室では、画像処理・通信工学・計測工学などの分野への応用を目指して研究を行っています。

​早川研究室1

信号復元技術の開発や解析

​早川研究室2

データ駆動型信号処理

​早川研究室3

信号処理技術の応用

人工知能と意思決定支援システムが創る未来

[研究室キーワード] マルチエージェント, 合意形成支援, 自動交渉, 自然言語処理

近年、人工知能がブームになってきており、社会的にも注目を集めています。今後は、ひとつの人工知能を実現するだけではなく、人工知能同士もしくは人間-人工知能間で協調することが重要になってきます。人間と人工知能が協調することで、これまで人間や人工知能のみでは達成できなかったことが実現できるかもしれません。
本研究室では、人工知能の技術を基盤として、人間の意思決定支援に関わるアルゴリズムからシステム開発を幅広く研究しています。まず、マルチエージェントの研究があります。エージェント(AI)同士が協調するためのしくみを新たに創出し、エージェント間で衝突が発生した場合に自動調整する方法を研究しています。この技術が実現すれば、自動運転車同士が人間のように道のゆずりあいや複数のドローンの共同作業が可能になります。
また、人間と人工知能が協調するためのしくみとして議論マイニングの研究をしています。自然言語の議論においてどのような流れで議論が行われているのか、それぞれの意見間に構造はあるのか、自然言語をどのように処理するかなどの課題に対して機械学習などを活用し、それらを用いて合意形成へつなげる仕組みを開発しています。

​藤田桂英研究室1

マルチエージェントと自動交渉に関する研究

​藤田桂英研究室2

議論マイニングに関する研究

​藤田桂英研究室3

大規模合意形成支援システムに関する研究

集中を邪魔しない知的なヒューマンインタフェース

[研究室キーワード] テレワーク, バーチャルリアリティ, ヒューマンインタフェース, 知的生産性

テレワークがいつの間にか当たり前になり、バーチャルリアリティという言葉もすっかり定着しました。でも...やっぱり顔をあわせて話をするときのニュアンスや一体感はまだネットでは難しく、仮想空間では物を持って置くような簡単な作業にも未だ不十分な点があります。

例えば、在宅テレワークをしていても上司や同僚の作業状況を感じられるシステムや、集中している時はメールや電話の着信通知を停止して一段落したら通知するシステムがあれば嬉しいという人も多いでしょう。忘れていた用事を邪魔にならないタイミングで思い出させてくれるキャラクタが家にいると便利かもしれません。また、VR空間でも、現実と同じように指先を使った器用な作業ができた方が良いですよね。

私たちの研究室では、こんなヒューマンインタフェースやバーチャルリアリティに関する「もうちょっとこうだったら」に、情報工学はもちろん心理学など他の分野の知見も生かしながら取り組んでいます。

​藤田欣也研究室1

テレワーク環境における作業状況の遠隔共有

​藤田欣也研究室2

スマートディスプレイによる能動的情報提供

​藤田欣也研究室3

指先でのVR物体の3次元操作

実世界に根ざしたコンピューティング

[研究室キーワード] インタラクティブシステム, ユビキタスコンピューティング, 実世界指向インタフェース

いまや計算機能(コンピュータ)をはじめとして入出力装置も小型・高性能化して身の回りのモノに組み込めるようになってきています。さらにネットワークにも繋がることで、実世界とデジタル世界が継ぎ目なく接続されるようになりつつあります。

本研究室では、このような環境の恩恵を最大限に受けるための実世界のデジタル化(入力)とデジタル世界の実体化(出力)に関する研究に取り組んでいます。例として、人間の日常行動認識や動物の行動パターン解析、携帯機器の所持位置検出、投影型拡張現実感(AR)における見やすい/記憶に残る情報提示、人を惹きつける情報提示、解釈の余地を残した情報の抽象的表現、タッチ入力技術を応用した情報入出力、などがあります。一方、このような要素技術は使われて初めて生きるものなので、応用先を意識しながら、時にはアプリケーション自体を本気で研究しながら開発に取り組んでいます。

また、研究活動を通して問題定義→解決法立案→試作システム実装→評価→改善策検討の一連の流れを主体的に体験することで、社会の様々な場面での価値創造に貢献できる力を身につけることも目指しています。

​藤波研究室1

実世界情報のデジタル化

​藤波研究室2

投影による情報の実在化

​藤波研究室3

タッチ入力技術の応用

巨大パズルの効率的解法を拡張し集積回路を設計する

[研究室キーワード] パズル, パッキング, 組合せアルゴリズム, 配置配線, 集積回路レイアウト設計

近年の微細加工技術の進歩により、数千万トランジスタを1チップに集積したLSIが一般的に使われるようになって来ました。これに伴い、このような大規模なLSIを如何にして短い期間内に設計するかという問題は、いよいよ深刻さを増しています。
LSIの設計はその複雑さゆえに数段階に分けて扱われており、その最終段階が「レイアウト問題」と呼ばれ、これは簡単に言えば、「できるだけ小さい長方形領域の中に指定された様々な大きさの長方形を配置し、その間を指定された通りに配線せよ」という問題であり、非常に難しいパズル問題と考えることができます。
当研究室では、レイアウト問題を「自分で解く」のではなく、この問題を「計算機に解かせる」ためのアルゴリズムに関する研究をやっています。具体的には、レイアウト問題に応用するための「組合せアルゴリズム理論」に関する研究と、理論やアイデアを計算機上にプログラムして実験することによりその実用性を検証するという研究を行ってます。

​藤吉研究室1

立体パッキング

​藤吉研究室2

多角形パッキング

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SADP配線

パターン認識と機械学習の実生活への応用

[研究室キーワード] パターン認識, メディア情報処理, 機械学習

本研究室では、人間の認知機能を機械に模倣させることで、文字や顔など、この世界に存在するさまざまな物体を高速に高い精度で機械に認識させることを目的としています。この目的を達成するためには、機械に物体を認識させるための方法を数理的にモデル化して具体的なアルゴリズムに落とし込むことが必要となります(理論の研究)。
この理論を実世界へ応用する時に、解決したい問題に応じて適切な方法を開発する必要があります。例えば記号の集合である漫画の内容理解に応用する場合には、コマの分割や背景分離などの画像処理に特化した方法を考える必要があります(漫画の解析)。
一方、家畜や害獣など、生き物を対象としたシステムに応用する場合には、家畜の保護、害獣の駆除といった目的に応じて音声やセンサーの解析に適した手法を開発する必要があります(動物管理への応用)。本研究室では、このように応用先に適したパターン認識や機械学習の理論から実装に関する研究を日々行っています。

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理論の研究

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漫画の解析

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動物管理への応用

その「最適」って、本当に最適?

[研究室キーワード] アルゴリズム, 応用数学, 数理最適化

最適化という単語を聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか? スマホの最適化、ホームページの最適化…。世の中には、様々な最適化があふれています。ただし普通は最適化というと、何かを今の状態よりそこそこ良くするという意味で使われていることが多いのではないでしょうか。
しかし世の中には、そこそこではなく絶対に一番良くしたいという場面もあります。例えば、限られた予算で何かを作るような場合には、最も安い作り方というのが欲しくなるでしょう。
面白い例としては、図「最長片道きっぷ」の赤いルートを見てください。これは、北海道から九州へ行く時に、本州上をJR路線だけを使って最も長く移動したルートになっています。もちろん、同じ所は一度しか通ってはいけません。
ではなぜ、このルートが「最も長い」と言い切れるのでしょうか? それは、数学の力を借りているからです。最適化を扱うやり方はいろいろあるのですが、本研究室で扱っている最適化は数理最適化と呼ばれていて、数学を応用して真に最適な答えを求めようということが特徴です。

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より安全な通学路を求めて

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最長片道きっぷ

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方程式の解を求める探索プロセス

音響工学:​音を自在に操る数学と情報処理技術​​

[研究室キーワード] 信号処理, 時間周波数解析, 音響シミュレーション, 音響情報処理, 音響計測

音は、様々な情報を運ぶことで人々を支えています。声を使ってコミュニケーションをとれるだけでなく、走っている車の存在や、電子レンジの動作終了、機械の異常など、見えない場所で起きていることを知らせてくれます。普段あまり意識することはないかもしれませんが、「音が存在しない世界」を想像してみれば、生活を送る上でいかに音が重要かわかると思います。もちろん、音楽などのエンターテインメントにおいても音は重要であり、無音で映画を観たりゲームを遊んだりすれば、音が運ぶ情報の多さを実感できるでしょう。
矢田部研究室では、音が運ぶ情報を利用する方法について研究しています。空中を伝わる音を計測することで、スマートフォンやパソコンで扱えるデジタルデータに変換し、そのデータを解析や処理することで、音に含まれる情報を抽出して、より価値の高いデータに変換することができます。この一連のプロセスを高度化するために、数学や物理学の知見を活用し、新たな音響情報処理の実現に取り組んでいます。
音響工学は学問として非常に幅が広く、「音」という共通点のみで多種多様な分野の研究者が集っている学際的な研究分野です。幅広い技術を学んで取り入れることで、独創的な音響技術を提案しています。

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音響信号を数式で表現して解きます

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音の収録・解析・処理について研究します

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​楽器も研究の対象として扱っています

高速で安全・安心なネットワーク・サービス

[研究室キーワード] インターネット接続多重化, ネットワークセキュリティ, 迷惑メール対策

スマートフォンの普及や様々なITサービスの登場も相まって、今日では日常生活の必需品となっているインターネットですが、皆さんは満足して利用していますか。インターネットは高速になりつつありますが、動画視聴など通信量が多いアプリケーションから見るとまだまだ高速化が求められ、インターネット接続多重化など効率よく利用できる仕組みが必要です。
また、インターネットは便利な反面、落とし穴が至る所に隠されています。例えば、迷惑メールは未だに大きな脅威になっており、絶対数こそ少なくなりましたが、被害額は増加しています。特に、有名なサイトに成りすますフィッシング詐欺メールは日々進化しており、引っかかる利用者が後を絶ちません。大学や企業などでは多彩な攻撃に対して正常な通信に影響を及ぼさない対策も重要になっています。
私たちの研究室では、このようなインターネット・サービスを高速かつ安全・安心に利用するための研究に取り組んでいます。

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インターネット接続多重化/混雑している経路を避けて高速な通信を実現

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ディスプレイネームの検証によるなりすましメール対策/漢字名等を表示するディスプレイネームが登録情報と不一致の場合、発信拒否

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高速でスケーラブルなファイアウォール/不審アクセス検出部(IDS)と遮断部(OpenFlow)を分離することで実現

「関係性」を考慮するグラフデータ解析

[研究室キーワード] グラフ機械学習, 統計的信号処理, 計算機イメージング

私たちの身の回りには、SNS、電力システム、通信システム、センサデータなど、関係性を持つデータが溢れています。これらのデータは通常の時系列データや画像データと異なり、頂点と辺からなる「グラフ」という数理構造上のデータとして表現されます。グラフ機械学習・グラフ信号処理はグラフ上のデータを効果的に解析するツールとして現在注目を集めています。
山田宏樹研究室では、グラフ上のデータ解析について基礎および応用の両面から研究を進めています。具体的には、グラフ上のデータを適切に間引くことで計算の高速化を図る手法であるグラフデータのサンプリング、データから観測できない関係性を見つけ出す手法であるグラフ学習など、さまざまなグラフデータの解析手法を開発しています。また、グラフデータ解析の知見を活用し、電力システムの安定運用の基盤技術である異常検知・状態推定、ナノイメージングにおける画像再構成など、さまざまな実問題にも取り組んでいます。

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グラフデータのノイズ除去

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グラフデータのサンプリング

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時変グラフ学習の概念図

“落っこちない”コンピュータを実現する基盤ソフトウェア

[研究室キーワード] オペレーティングシステム, データベース, ディペンダビリティ, 仮想化技術

コンピュータは我々の生活にかかせないものになっており、生活インフラの一部となっています。しかしながら、Web サービスにアクセスできなかったり、PC が突然フリーズしたりと、コンピュータがダウンしてしまうという経験をみなさまはしていると思います。
本研究室では、コンピュータをダウンすることなく常に安定稼働させるためのソフトウェアを研究しています。具体的には、OS やデータベースといった基盤ソフトウェアと呼ばれるレイヤの次世代技術を探求しています。たとえネットワーク攻撃やハードウェア故障が起きたとしても、ソフトウェアの工夫次第でコンピュータを安定稼働させることができるのです。
本研究室では Linux を始めとする Real-world なソフトウェアに提案方式を実際に適用して、真の意味での有効性を検証しています。膨大なソースコードからなるソフトウェアと格闘するのは大変ですが、提案方式が動いたときの快感はこの上ないです。毎日ワクワクしながら学生さんと研究を進めています。

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Recovery を指向するオペレーティングシステム

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ハードウェアが故障しても継続可能なDBMS

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コンピュータを稼働させたまま別マシンにテレポートさせる次世代仮想マシン移送技術

情報と暗号の仕組みを数理的に解明!

[研究室キーワード] 情報理論, 暗号理論, 秘密計算, 秘密鍵

近年の情報通信技術の発展に伴い、情報セキュリティは益々重要になってきています。現在インターネットで広く使われている公開鍵暗号は現実的な時間内には解読されないという意味での安全性が保証されています。一方、本研究室では、攻撃者がどんなに時間をかけたとしても破られることのない、「情報理論的安全性」と呼ばれる基準を満たす暗号技術の研究を行っています。
最近、特に力を入れて研究しているのは「秘密計算」と呼ばれる暗号プロトコルで、例えばオークションにおいて各ユーザの入札価格を秘密にしたまま最高入札者を判定するといったことを可能にする技術です。また、ブロックチェーンの理論基盤であるビザンティン将軍問題や同報通信、「将棋の封じ手」をデジタル技術として実装するビットコミットメントの研究なども行っています。
本研究では現実的な技術を見据えつつも、数十年先にも使える研究を目指しています。

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秘密計算の概念図

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同報通信の概念図

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ビットコミットメントの概念図

Department of Electrical Engineering and Computer Science (EECS)

Tokyo University of Agriculture and Technology (TUAT)

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