
授業紹介
このページでは、知能情報システム工学科の授業について紹介します。一番下に大学公式の教員インタビューへのリンクも掲載しているので、あわせてご覧ください。
一年生で学ぶ科目
線形代数学Ⅰ・Ⅱ
工学の諸分野における様々な現象を記述し解析する上で、線形代数学で学習する内容は必須のものとなっています。線形代数学で学ぶベクトル空間、線形写像、一次独立性などの概念を扱う際の計算の基礎となるのが行列とその基本変形です。行列とは、いくつかの数を縦横に並べたもので、行列とそれに関する種々の計算法を習得するのがこの講義の最初の目標です。具体的な行列の計算を通して、その背後にある『線形性』という基本的な考え方を身に着けます。 さらに、 平面や空間を一般化したベクトル空間と、ベクトル空間の間の線形写像を定義し、線形写像を行列を用いて表示することによりその性質を調べる方法を学びます。とくに、ベクトルの一次独立性、および、ベクトル空間の基底や次元、線形写像の像と核などの基本的な事項と計算法を学び、さらに、固有値と固有ベクトル、線形変換の対角化、内積空間などの概念と手法を習得することにより、線形代数学への理解を深めます。
微分積分学Ⅰ・Ⅱおよび演習
1変数関数の微分積分とその応用を学びます。微分積分学は自然現象や社会現象などの変化を数式で記述し、解析する学問です。統計学、物理学、化学、工学などに広く利用されています。高校で学んだ微分積分の考え方を発展させていきます。極限の考え方を理解し、高度な計算力を身につけるのが目標です。 まず実数の性質の中で連続性が微分積分の基本になっていることを説明します。微分は関数の変化を記述し解析する道具です。極限の考え方から出発して微分を定義し、その計算法を習得します。その過程で三角関数、逆三角関数、指数関数、対数関数などの関数の性質も学びます。 積分については、微分と積分はたがいに逆演算であるという微分積分学の基本定理を説明し、不定積分、定積分の計算法を学び、その応用として図形の面積や曲線の長さなどの意味と計算法を習得します。 さらに、多変数関数の微分積分に関する諸概念を理解し、習得します。また、演習をとおして確実な計算力を身につけることを目標とします。高等学校では扱われなかった概念が多く出てくるので、はじめはやや難しく感じられるかもしれません。しかし、多変数関数を用いることで多くの自然現象を記述することが可能となります。 講義では2変数関数を主に扱います。 2変数関数は一般に曲面を表していて、視覚的にも捉えやすい対象です。まず2変数以上の関数について偏微分を学び、応用として関数の極値の判定法について学びます。次に2重積分や3重積分を学び、応用として図形の体積を計算します。平面上の線積分についても定義し、最後に無限級数について学習します。とくに多変数の微分積分学では、その概念を図形的に理解することが重要となるので、できるだけ図形を描いて直感的に理解できるよう演習を行います。
幾何学
自然界にある物理量の多くは大きさと方向を持っています。例えば風は強さと方向があります。水の流れもそうです。これらの量はベクトル量と言います。これらのベクトル量は工学の世界でもしばしば現れます。では、これらを数学的にどのように扱うのでしょうか?本講義では、ベクトル量の数学的な取り扱いを中心に学びます。 例えば、川の流れがあり、岸に近いところは流れが緩く、川の中心部では流れが速いとします。この川の中に水車を入れると、水車が回転することは想像できるでしょう。ですが、どのように回転するかを、数学的に調べれるにはどのようにすればよいでしょうか? また、山の高さは大きさだけで、方向を持たない量です。この量のことをスカラー量と言います。ですが、山の傾きはベクトル量です。地図に記された山の等高線から傾きを想像することはできますが、数学的に調べれるにはどのようにすればよいでしょうか? これらは、本講義で扱う一例ですが、本講義ではベクトル量の数学的な取り扱いについて学びます。
